別れを迎える。

New Zealandに帰ってきて、まだ5日目。

 

朝同じタイミングで目が覚める。

なんとなく思った。

 

今日がきっと話すタイミングなんだろう、と。

 

声をかける。

 

今から話そうか。

 

彼も頷く。

 

彼が話を始める。

ここ最近のこと、

僕に申し訳ないと思っていたということ、

今はキャリアに集中したくて、

自由が欲しいということ。

ずっと別れたかったけど、僕が8年間を無駄にしたと思うんじゃないかと思うのが怖くていえなかったこと。

 

すごく落ち着いて話を聞けた。

 

僕も話をする。

ここ数ヶ月本当に辛かったこと。

毎日が地獄のようでたまらなく辛かったということ。

ただ、あなたが日本を去ってから心がすっと軽くなったこと。

あなたがNZに僕が帰ってきた日に帰ってこなかったとき、何も思わなかったこと。

だから、別れてもいいと思えたこと。

ただ、8年間を僕は無駄だなんて少しも思わなかったこと。

愛していたし、愛されていたことは確かだったこと。

幸せな瞬間はたくさんあったこと。

 

二人でハグをする。

 

ハグをしながら、彼は僕の胸元で泣く。

 

僕が一人で語りかける。

二人が初めて会った日の事。

フィリピンの空港で、彼がケーキとチーズバーガーを持って待っててくれた事。

幸せだった事。

たくさんの幸せな出来事があって、僕はすごく幸せだった事。

彼が僕の胸元でむせび泣く。

 

泣きたかったのはこっちだったのに、と思いながら、ブログを書きながら涙を流す。

愛していたんだな、幸せだったんだな、って。

 

いろんなことがもちろんあったのだけど、

8年間、総じて幸せだった、と最後に今こうやって思えたのなら幸せだったのかな。

それはわからないし、彼がやったことは許せたわけではやっぱりなくて。

 

彼には一言、伝えた。

 

あなたはあなたのセフレだか彼氏だかをうちの実家に泊まらせて、

うちの両親の好意を利用した、それだけが僕は一番どうしても許せなかった。

 

彼は謝罪をしてくれた。

 

フィリピンの家のことなど、まだ話し合いはちゃんとできていないのだけれど、

公平に話はできそう、そんな雰囲気を感じた。

 

愛していたんだな、って。

本当に愛していたんだなって。

 

それだけはきっと確かだったんだなって。

 

そうだよな。8年間、だもんな。21から29まで。20代、ほとんど。

無駄だったなんてそんなこときっとない。

 

彼と二人で指輪を机に置く。

 

友達になりたいと彼はいうけれど、

僕はまだそこまでの気持ちにはなれない。