お金のこと、まだ決着つかず。
別れてから9ヶ月。
連絡を絶っていたクライストチャーチ時代の友人と久しぶりに連絡をとる。
他愛もない話をしながら、
昔の懐かしい友人たちの話に花を咲かせる。
もう戻らないと決めた故郷に住む友人たちの近況を聞きながら、楽しい思い出が蘇って少しだけ戻ってみんなに会いたいな、なんて思ったりもする。
あんなこともあったな、
みんな幸せにやってるんだろうな、
たまたまFacebookが数年前の友達みんなでビーチに行った時の写真をトップに表示なんかしたりするから、特にいろんなことを思い出したりする。
そんな話をしていると、
ふとその友人が、こう切り出す。
あなたの元カレ、仕事を失うかもってことで、なおきに今はお金を返せないって言ってたんだよね?
それ嘘だよ。
あなたの元カレは仕事もしてるし、
なんなら最近、あの浮気した彼氏と二人で家を買ってたよ。
私たちみんなその引越し祝いのパーティに呼ばれたよ。少し古いけど素敵な家だった。
なんなら、なおきがオークランドにいることも知ってるよ。
だから、あなたに仕事がなくなってお金を返せないっていうのは嘘だよ。
彼はお金を持ってるし、幸せにやってるよ。
もしかしたら、なおきと元カレが共同で買った家の折半してなおきがもらうべきお金は、クライストチャーチの家の頭金に使われちゃったのかもよ。
また、
僕は騙されたんだね。
お金のことだけ、それだけは絶対に信じて。
って彼と別れるときに念をおされた。
周りには、
信じないでちゃんとしなねって言われた。
でも、
僕にとっての彼との8年間で、
彼はそこはちゃんとしてくれるって確信があった。
お金に関しては、
ちゃんとしてくれるって確信があった。
でも、そんなことなかったんだね。
お金ちゃんとあったんだね。
そして、僕がオークランドにいることも知ってるんだね。
ふと、ニュージーランドに帰国する少し前に、
クライストチャーチ時代のあまり親しくもない知り合いから、なおきニュージーランドに帰ってくるの?なんて連絡がきたことを思い出す。
そんな人がなんで僕がニュージーランドに帰ってくることを知ってるんだろうと思いつつ、
その人が、なおきは元カレと別れたんだって?と続ける。
うん、そうだよ、色々あったからね、というと。
まぁ、そうだよね。よくなおきも耐えてたよね、浮気されてる関係に。
え、あなたも知ってたの?
知ってたよ!
そう。
こういうことだね。
お前誰だよ、って人ですら知ってたんだね。
僕はみんなの笑い者であった。
そして、嘲笑の対象であった。
それをただただ痛感させられる。
笑い者だよな、ほんと。
付き合ってたときですらそうなのに、
別れた後ですら、
誰も僕に真実は伝えてくれないんだね。
僕が別れたとき、
僕の味方になる、
あいつのしたことは許せない、気持ち悪い。
そこまで言って、手を差し伸べてくれた人たちが、今も元カレと楽しくやっている。
僕はそれを知らなかったから、たまに連絡を取っては自分の状況を伝えていたね。
そして、あなたたちは僕の近況を話していたんだね。
僕は、あなたたちに何をしたの。
友達として、できる限りの事をしてきた。
でも、別れてからも、みんなで真実を隠して誰も助けてはくれないんだね。
8年間、僕は何をしていたんだろう。
でも、最近、彼氏ができた。
幸せに、ただ幸せでいたい。
裏切りもドラマもなく、穏便に、この幸せがただただ続きますように。