この街にはいられない。
やっぱり、この街を出なければいけないと思う。
思い出が多すぎて。
全ての思い出が心をえぐる。
街が小さすぎて、
どこを歩いても運転しても何かしらの思い出が眠っている。
そんな小さな街に、5年間も二人で住んでたんだもんな。
初めて二人で空港を降りた瞬間のこと。
初めて二人で街を歩いた時。
初めて二人で食べたレストラン。
値段が高くて、恐る恐る買ったハンバーガー。
二人で半分こしたよね。
子供だった24歳の僕らが二人だけの力でここまでこれたんだもんな。
よく頑張ったんだよな。
そういうことを思い出してしまうから、
この街にはいない方がいい。
そういうことは今の僕にはまだ苦しい。
TinderやGrindrなんてやった暁には知り合いや下手したら元カレが表示される。
その度に、きっと心がえぐられる。
アプリなんて使わずに恋人ができたらいいけど、ゲイの世界そんなうまくなんて行かない。
難しいよね。
早くでたいのだけど、如何せんお金もない。
今の仕事で数ヶ月、必死で働いてからと思うけど、
心のバランスも怪しくなっている。
日本に帰りたいと思うけど、
コロナのこともある。
日本に帰りたいとやっぱり思う。
1年くらい日本で生活してみたい。
日本に帰りたいのか、親元に帰りたいのか。
別にそのあとNew Zealandに戻ってきてもいい。
新しい彼氏っぽい人(まだ正式ではない)が見つかったから日本に帰るのか。
それはもちろんある。
でも、今、その人がいなかったとしても、僕は日本に帰りたい。ここではない、どこかに行きたい。
息がつまりそう。