家族を作りたかったんだよな。

3月1日。New Zealandは今日から秋だ。

 

朝起きて、外を見ると、なんだか気持ちの良さそうな快晴だ。

空気を入れ替えようと、窓を開けると、

昨日と違って肌寒い。そうか。もう秋なんだ。

半袖の季節ももう終わりかな。

好きな季節とか嫌いな季節とかはあまりないのだけど、

それぞれの季節が終わるのは少し名残惜しい。

 

秋になりこれから冬になる。

 

去年の3月のことを思い出す。

僕らが、代理母で赤ちゃんを授かろうと話し合いを始めた時期。

 

いつかその夢が現実になる、

そんなことを思って書いていたブログがある。

今、読み返すと、すごく恥ずかしい。

この時、僕は二人共が真剣だと思っていたのに、彼はもう浮気をしていた。

5月6月に入り、話し合いが本格化した頃には、彼氏までいた。

 

僕は、そんなことを考えもせず、子供だった二人がこれから大人になり家族になるんだ、

感慨深く幸せだった。

これからは僕らが子供を授かり生きていく。夢にまで見ていた家族になるんだ。

そんなことを夢にまでみていた。

 

本当に、二人とも真剣だったと思っていた。

当時、友人たちにその思いを泣きながら話していた。

ゲイのカップルが赤ちゃんを授かるのが経済的にも制度上もどれほど大変か。

それでも、これを乗り越えて赤ちゃんを授かりたい。

僕はなんと滑稽だったのだろう。

 

みんな応援してくれてると思っていた。うんうん話を聞いてくれていたけど、内心、

お前の彼氏、浮気しまくってるぞ!赤ちゃん?そんなの授かれるわけないじゃん。なんて思われてたのかな。

 

まぁそれはいい。

僕は全てを知っていたけど隠していた友人に言われたように、

メロドラマのバカな主人公の恋人で、

それを見ていたオーディエンスにとっては格好の笑いのネタだったんだと思う。

 

ただね、僕にとってあの時間はたとえ、仮初めであったとしても、みんなの笑いの格好のネタだったとしても、幸福な時間だった。

二人で同じ未来を歩いていける、と信じさせてくれたし、子供とか結婚とか家族とか、そんなものを夢物語と思ってきた僕にとってはなんとも言えないくらい幸せな時間だった。

あの時間は宝物だったと思う。

 

たくさん、夢を見れて、幸せだった、と思わなければ、

僕の気持ちは昇華できそうになんかない。

 

今、僕は元彼と歩んできた起承転結の結を描いている。

結じゃなくて、あとがきかしら。

あとがきなんて、書いているから、自分の気持ちに決着ができないのかしら。

 

でもねやっぱり、あなたと家族を作りたかったな、なんて思ってしまう。

やっぱり、辛くてもどかしくて泣きたくなるけど、それでも、僕は本気だった。

本気で家族を作れると思っていた。

不安ももちろんあったけど、ワクワクして希望に満ちていた。

あなたとなら、何があっても乗り越えられると信じていた。

 

やっぱり、一人だと寂しくて。

好きなんて気持ちはもうとうにないのだけれど、

それでも、あの時のたとえ偽物の幸せだったとしても、幸せだった。

宝物のような時間だった。

 

笑っちゃう話なんだよね。

でも、僕は今、泣きたくてしょうがない。

 

 

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