きっと、これで終わり。

お金のこと、決着つかず、と書いたあの日から、もうすぐで1年。

ようやく、お金がすべて返ってきました。
別れてから、1年半以上かかり、ようやくお金がすべて返ってきました。

実を言うと、今年の3月から少しずつは返ってきていました。

 

今年の2月頃、急に現金では返せないので、Prezzy Card (ギフトカード)で返却したい、と言われ、断り現金で返してと伝えると、それなら返せない、と断られました。泣く泣くPrezzy Cardでも返ってこないよりかはましだ・・と了承しました。

それから、毎月、Prezzy Cardが家に送られてきました・・

家を引っ越すたびに住所を教え、それもPrezzy Cardは2年の期限付きで、使えるお店と使えないお店もある・・

やっぱり現金で返してほしい!と伝え、なぜPrezzy Cardなのかと理由を聞いてもはぐらかされ、毎月毎月、本当に今月は送られてくるのかな?とヤキモキしながら、全額、Prezzy Cardで返ってくるのかな、なんて半ばあきらめていました。

それが急に、先週、全額返金します、と連絡がきて、銀行に送金されました。

 

全然返金されないことと現金ではないことに呆れ返り、ふざけんなよ、なんてずっと思っていたのに、なぜかふとすべて終わったと思うと、すごく複雑な気持ちになります。

 

8年間、二人で積み上げてきた物を、これで崩し終わった。そこに僕と彼とのつながりは全て無くなった。幕を閉じたんだね。

 

これはきっとあとがきのようなもの。

 

すごく久しぶりにいろんなことを思い出して、物思いに耽る。

辛くて泣き叫んだ日々とともに、たくさんの幸せもきっとそこには存在したんだよな、なんて思う。

彼とも友人たちとももう繋がりはないのだけれども、思い出だけは確かにそこにある。ただ、思い出すと辛くて苦しい瞬間も、未だに言ってやりたいこと怒りをぶつけたいこと、それはそれはたくさんある。それでも、すべてが愛おしかった思い出にいつか昇華されるといい。

 

思い返すと、20代、多くの選択をしてきたけれどその選択のほとんど全てを彼とともにしてきたんだな。

彼と出会い、それまで隠し通すつもりだったゲイとして海外で生きる覚悟を決めたあの21歳の夏。それから、遠距離を経て、二人で生きられる国を探して、ニュージーランドに来た。そして、僕はいまこうして休学や留年を経てようやく大学院も終りを迎えられそうで、その最初の数年間のサポートをしてくれたのも彼だ。

ありがとう、と言えるほど、許せてはいないのだけれど、それでも、思い返すと、感謝すること以外に相応しい言葉も思いつかないんだよな。

惨めな思いをして怨み苦しかった日々ももちろんある、それを含めても感謝することのほうが多い気もする。

 

同じ気持ちで一緒になったのに、あの8年間、21歳から29歳の間に、二人は成長し、見る世界や見たい世界が変わっていったんだろうね。

 

彼と別れてから1年半。

当時を思い返すと、怖くて怖くてたまらなかったのは、彼と別れることよりも一人で生きられるかが不安だったことなんだな、きっと。だって、見てる世界も見たい世界ももう違うことに気づいていたから。

 

ただ、それでも当時は地獄の日々を毎日耐え抜き、いつかきっと元に戻れると思っていた。

でも、そのいつかはきっとこない。今ならよくわかる。

変わってしまったものにすがっても仕方ない。

それは亡くなった人の影を追い求めているのと一緒だ。

 

僕は1年半前、恋人も友人も住む場所も貯金も全て無くなった。

もう終わりだ、と何度も思った。それでも、人生は進んでいった。

いやなことも苦しいことも何も飛ばせず進んでいった。

 

これで、このブログもきっと終わりなはずだ。

 

いま、僕は幸せに生きている。

新しいパートナーと毎日、楽しく生きている。

 

苦しかった大学院もあと1週間で終わる。

 

これでようやく前章に終止符を打てた、そんな気がしている。

 

お金のこと、まだ決着つかず。

 

別れてから9ヶ月。

 

連絡を絶っていたクライストチャーチ時代の友人と久しぶりに連絡をとる。

 

他愛もない話をしながら、

昔の懐かしい友人たちの話に花を咲かせる。

 

もう戻らないと決めた故郷に住む友人たちの近況を聞きながら、楽しい思い出が蘇って少しだけ戻ってみんなに会いたいな、なんて思ったりもする。

 

あんなこともあったな、

 

みんな幸せにやってるんだろうな、

 

たまたまFacebookが数年前の友達みんなでビーチに行った時の写真をトップに表示なんかしたりするから、特にいろんなことを思い出したりする。

 

そんな話をしていると、

 

ふとその友人が、こう切り出す。

 

 

あなたの元カレ、仕事を失うかもってことで、なおきに今はお金を返せないって言ってたんだよね?

 

それ嘘だよ。

 

あなたの元カレは仕事もしてるし、

 

なんなら最近、あの浮気した彼氏と二人で家を買ってたよ。

 

私たちみんなその引越し祝いのパーティに呼ばれたよ。少し古いけど素敵な家だった。

 

なんなら、なおきがオークランドにいることも知ってるよ。

 

だから、あなたに仕事がなくなってお金を返せないっていうのは嘘だよ。

彼はお金を持ってるし、幸せにやってるよ。

 

 

もしかしたら、なおきと元カレが共同で買った家の折半してなおきがもらうべきお金は、クライストチャーチの家の頭金に使われちゃったのかもよ。

 

 

また、

僕は騙されたんだね。

 

お金のことだけ、それだけは絶対に信じて。

って彼と別れるときに念をおされた。

 

周りには、

信じないでちゃんとしなねって言われた。

 

でも、

僕にとっての彼との8年間で、

彼はそこはちゃんとしてくれるって確信があった。

 

お金に関しては、

ちゃんとしてくれるって確信があった。

 

でも、そんなことなかったんだね。

 

お金ちゃんとあったんだね。

 

そして、僕がオークランドにいることも知ってるんだね。

 

 

ふと、ニュージーランドに帰国する少し前に、

クライストチャーチ時代のあまり親しくもない知り合いから、なおきニュージーランドに帰ってくるの?なんて連絡がきたことを思い出す。

 

そんな人がなんで僕がニュージーランドに帰ってくることを知ってるんだろうと思いつつ、

その人が、なおきは元カレと別れたんだって?と続ける。

うん、そうだよ、色々あったからね、というと。

まぁ、そうだよね。よくなおきも耐えてたよね、浮気されてる関係に。

 

え、あなたも知ってたの?

 

知ってたよ!

 

そう。

 

 

こういうことだね。

 

お前誰だよ、って人ですら知ってたんだね。

 

僕はみんなの笑い者であった。

そして、嘲笑の対象であった。

それをただただ痛感させられる。

 

笑い者だよな、ほんと。

 

付き合ってたときですらそうなのに、

別れた後ですら、

誰も僕に真実は伝えてくれないんだね。

 

僕が別れたとき、

僕の味方になる、

あいつのしたことは許せない、気持ち悪い。

 

そこまで言って、手を差し伸べてくれた人たちが、今も元カレと楽しくやっている。

僕はそれを知らなかったから、たまに連絡を取っては自分の状況を伝えていたね。

 

そして、あなたたちは僕の近況を話していたんだね。

 

僕は、あなたたちに何をしたの。

友達として、できる限りの事をしてきた。

 

でも、別れてからも、みんなで真実を隠して誰も助けてはくれないんだね。

 

8年間、僕は何をしていたんだろう。

 

 

でも、最近、彼氏ができた。

 

幸せに、ただ幸せでいたい。

裏切りもドラマもなく、穏便に、この幸せがただただ続きますように。

 

 

 

 

 

 

誰のことを信じていけばいいのだろう。

元彼から突然、メッセージが来た。

 

会社をクビになりそうなので、今、お金をお渡しするのは難しくなりそう。

不動産も売れそうになくてお金は渡せない。

 

あーそう。

 

正直、彼がクビになるとかならないとかはもう関係がない。

 

でもね、お金は返して欲しいし、彼は返さないといけないはずだ。

僕だってきちんと働いて稼いだお金だ。

 

返して欲しい。

 

でも、本当に彼がクビになったのか、クビになるのか、

それとも金を渡したくないだけなのか。

 

僕は一体、誰に連絡をとって確かめればいいんだろう。

 

彼の浮気を僕が知った時、打ちのめされた。

 

浮気されて裏切られたというのはもちろんのこと、それ以上に、周りのみんなが知っていて、黙っていたから。

それも随分、昔から。

 

僕は一人で苦しんでいたと思っていたら、

マジックミラー越しに、僕はみんなから見られていた。

 

たくさんの観客たちがいて、その観客たちは、

僕の苦しみを知りながらも、たまに舞台上に上がってきては、

何も知らないフリをして、よい人のフリをして僕を惑わした。元彼と口裏を合わせながら。

そして、また客席に戻っていった。

 

 

最後の最後まで、みんなはうまく役を演じきった。

 

観客たちも自分たちが演者になれたことで、もっときっと盛り上がったはずだ。

 

僕はみんなの声に耳を傾けて、彼との関係を修復しようとしていたから。

僕自身の問題だと思っていた。

 

彼が浮気をしていることを誰も教えてくれなかった。

何より、みんな僕の仲間のフリを最後までし続けた。

 

そのドラマが幕を閉じた時、

つまり彼と別れた後に、

最初から最後まで席を立たずにそしてよく出演してくれた観客の一人に話を聞いた。

彼は、Soap Opera(昼ドラ)を見ているようで、興奮して楽しかった、と言った。

 

安いメロドラマだけど、高いレビューを頂けたみたいだ。

 

でもね、僕はそれを聞いて、どうしていいか分かんなかったんだよ。

 

嘘でもいいからせめて、二人の問題だから首を突っ込みたくなくて言えなかったよ、くらいは言って欲しかった。

 

 

でも、よくよく考えたら、マジックミラー越しだから、僕は観客の"みんな"を知らない。

 その”みんな”が、誰のことを指してどこまで含まれていたかなんて僕にはわからない。

 

準主演兼チケット売りの僕の元彼は、僕にそれを教えてはくれなかった。

主演の僕は何も知らされず、お金も入らず、辱めを受けただけ。

 

知っている限りで、彼の友人のクライストチャーチ在住者たちは知っていたはずだし、

共通の友人でうちによく遊びに来ていた人たち、多分10人以上は知っていたはずだ。

 

でも、本当にその人たちだけだったのかな。

 

なんて、突然、思っちゃうと、疑心暗鬼になる。

僕の味方をしていると思っている人たち。

 

知らなかったよ・・大変だったんだねって言っていた共通の知り合いの人たちだって、本当は全部知ってたんじゃないのかな。

 

本当にみんな何にも知らなかったのかな?なんて思ったら、僕は誰に声をかければいいのかわかない。

 

元彼のことはFacebookからもインスタからも消した。

彼のことを僕がわざわざ調べなければもう見ることなんてない。

 

でも、そういうわけにもいかないみたいだ。

 

先日、僕の味方だと思っていた友人のインスタを見ていたら、

最近、僕の元彼と会っていたようで、彼の写真を不意に見つけてしまった。

 

見たくないものを見てしまったな、と思ったと同時に、

あーもうわからないや。きっと、共通の知り合いも友人も全員が全てのことを知っていたと思う方が楽だな、なんて思う。

 

僕は多分、彼と僕のことを知っている人たちと距離を置くしかないんだろう。

 

終わったと思ったこともやっぱりまだ終わらないんだね。

 

でも、彼がクビになったのかなっていないのかは、きちんと知りたい。

それは気持ちがあるからじゃなくて、僕はお金を返してもらわないといけないから。

 

でも、知る術なんて残されてない気もする

 

僕はみんなにこんなに扱われるような悪い奴で嫌な奴だったのかな。

 

そうなのかもしれない、なんてやっぱり思ってしまう。

 

 

 

 

 

 

5ヶ月の月日がたつ。

このブログ始めた時の彼氏と別れてから早5ヶ月。

日本に帰ってきて、3ヶ月と少し。

 

まだ、3ヶ月と少しなんだね。

 

もう1年くらいここで暮らしているみたいだなぁ。

 

結局、New Zealandの方が自分には合ってるんだな、って再認識できました。

 

New Zealandに帰ることにします。

 

でも、きっと元々いたクライストチャーチには戻らないで、オークランドに行こうと思います。

 

再出発はやっぱり新しい場所でしたいじゃない、ね。

知らない場所で新しい友人たちを作るの。

恋愛もして仕事もして勉強もするの。

できるかな。

 

飛行機次第だけど、8月末にはNew Zealandに行こうと思います。

仕事はやめてしまったので、あと1ヶ月半は病院やら家族との時間を大切にしながら、生活していこうと思います。

 

 

この3ヶ月間ね、

いろんなことがあったよ。

 

恋愛もしたし、仕事もした。

友人もできた。

長くは続かなかったけど、彼氏もできた、ね。

そういう恋愛からもいろんなことが学べたね。

 

傷つけられたし、傷つけた。

 

このブログのタイトルの浮気した元彼とは、きっともう会うこともないかもしれない。

 

それでいいんだと思う。

 

まだ完全に吹っ切れたかなんてわからないけど、

それでも、前を向いて生きていくしかないんだよね。

 

ローラーコースターみたいな3ヶ月。

 

帰ってきたこと、後悔なんて全くしてないよ。

毎日苦しくて泣いていた日々から、少しずつだけど前が向けるようになったね。

 

たまに落ち込む日はもちろんあるよ。

 

元彼たちのことを思い出して、ぎゅっと胸が苦しくなる瞬間なんて山ほどある。

 

でも、それでいいんだよ。

 

よかった。

 

いろんな人に会って恋愛して、

新しい発見もあって。

 

大学院に戻って、

修士号取り終えて、ソーシャルワーカーとして働こう。

 

自分の人生経験が、自分をより良いソーシャルワーカーにしてくれるはず。

 

 

少しずつ少しずつ。

NZ最後の夜。

New Zealandを出発して日本に帰る。飛行機の中でブログを書く。

 

飛行機に一人で乗るのにも少しずつ慣れてくるのかな。これから。

 

ここ8年間、飛行機に乗ると、いつも隣には彼がいて、同じ映画を見たり、この映画面白かったよ、なんて話したり、ゲームしたりして飛行機の中を過ごしていたけど、今は一人なんだよな。映画を最後までじっとして見れないタイプだから、飛行機って本当に手持ち無沙汰になってしまうなって改めて思う。二人でいたらLCCでも平気だったのにね。

 

この1週間で精神がだいぶ削られた。

コロナウィルスにより、NZ政府が国境封鎖を決め、飛行機の便数も大幅に無くなり、4月以降NZからの日本行きの飛行機はほとんどない。(調べた限り、経由便でもあまり見つからなかった)。シンガポール航空とかはあったけど、シンガポールも国境封鎖を決めたので、その飛行機は実際飛ばない。

 

もしかしたら出れないかも、なんて半ば覚悟したけど、出ると決めたら、その気持ちはどんどん強くなり毎日、気が気じゃなかった。

 

結局のところ、出て正解なのか不正解だったのかはわからないけど、それでも後悔はしていない。

NZにいたら職業柄(メンタルヘルスの施設)、仕事は確実にあったけど、日本に帰ったら一からの就職活動だし、状況も状況だ。

でも、あそこにいては行けなかった。帰国して2ヶ月、楽しくなかったし、前に向ける気が全くしなかった。自分のメンタルヘルスケアが少しもできてなくて仕事と日常の境界線もひけていなかった。クライエントさんの話を聞いて自分に置き換えてしまったりとか普通にした。これじゃダメだなって毎日思っていた。

 

だから、木曜日にNZ国境封鎖の放送を受けたとき即帰国を決めた。金曜日に退職願をだし、火曜日の早朝(今朝)に出発した。

 

早かった。

 

会いたい人たちみんなにお別れを言えなかったのは本当に心残りだけれども、どうしても会わなきゃ行けなかった人たちには会えた気がする。

NZの家族のような人たち。それでも、元彼との一件で僕が一方的に会うのをやめた人たち。

やっぱり彼らと離れたのがずっと心の底で苦しくて。2ヶ月間、今まではいた元彼以外の話し相手すらもいなくなったのが本当に辛くて、新しい友人を作る気にもなれず、塞ぎ込む日々が続いていた。

だから、最後に会いに行った。許す許さないとか関係なくて、ちゃんと良い終わり方をしたかった。

 

昔のような友達に戻れたかはわからないけれど、それでも、わだかまりはなくなったような気がする。

 

元彼にも出発の前夜(昨晩)にちゃんと会ってきた。

車のこととか家のこととかまだ終わってないことを話にいかなきゃいけないからそのことを事務的に話に行くつもりだった。

 

 

ちょうど元彼が今も住んでいる家(僕が前に住んでいた家)のフラットメートの誕生日だったから、みんなで夜ご飯を食べた後、彼と二人っきりになる。

 

彼が尋ねる。

 

パッキングは終わったの?

 

終わったよ。車にスーツケースも積んである。

 

そう。まだ、家になおきの服が残ってるから、入れてあげるから持ってきなよ。

 

わかった。持ってくるよ。

 

彼の部屋にスーツケースを持っていく。

 

他愛もない話をする。

まるで何もなかったかのように。

 

洋服をタンスから出している間、僕はベッドで横になり、天井を見上げる。

 

少しして元彼の泣いている声が聞こえる。

 

彼が僕がぐちゃぐちゃにスーツケースに入れた洋服たちを1枚1枚丁寧に畳んでくれていた。

 

泣きながら畳んでいた。

 

次の彼氏ができたら、ちゃんとするんだよ。

ちゃんと綺麗に洋服を畳んでスーツケースに入れるんだよ。もう畳んで入れてくれる人いないんだよ。

泣いていた。

 

涙がポタポタ垂れるから洋服が濡れちゃうね。

なんていいながら。

 

それから、昔の話をする。

初めてあった時のこと。初めて彼の親にあった時のこと。初めてうちの親にあった時のこと。

たくさんお互い支え合って助け合っていろんな思い出を作ってきたのに、先に諦めてごめんね。なんて言われるとなんて言っていいのかわからなくて。

 

二人で声に出して泣く。

 

声に出して泣いて、パッキングが終わる頃になると、彼が言う。お腹すいたね。って。

 

そうだった。8年間、旅行の前夜、スーツケースに荷物入れるのはいつも彼の役目で、終わった頃になると、お腹が空いた。って言って、僕が家にあるもので何かを作った。

 

オムレツでも作るか。

 

トマトと玉ねぎのフィリピンのオムレツ。それに少し魚臭いフィリピンのソース。あのソースは何が美味しいのか最後までわからなかったけど、オムレツを作るといつもそのソースをかける。

相変わらず、どんな味でもただのオムレツでも美味しい美味しいって食べてくれるのは変わらなくて。ソースの味じゃん。って思いながら。でも、誰かが自分のためだけに作ってくれる料理って、それだけで美味しいんだよな。なんて思う。

 

それから、元彼が空港まで送って行ってくれると言うから、早朝3時出発だったからそのまま夜通し話をする。

 

空港までの車の中。

 

彼と初めてあった時に、よく二人で聞いていた曲を聴く。

 

Marry you

 

ブルーノマーズのMarry you

 

結婚しようってプロポーズをする曲。

 

21歳の僕らはこの曲をずっと聞いていた。

いつか結婚したいね、結婚できる国に引っ越して夢を叶えようね、なんて話をしながら。ビデオまで作ったりして。

 

二人ともそらで泣きながら歌う。

 

泣きながら歌う。

 

空港について、

二人で1時間まだ時間があったから席に座る。

席に座りながら、2枚、写真を撮る。

一枚は二人とも目を真っ赤にさせてまだカップルに見える写真。

 

それともう一枚。5年前にNZ行きの飛行機に乗る直前に撮った写真と同じ構図。

二人の靴だけを写した写真。

この2足の靴が僕らを運んでくれるんだね、なんてタイトルで彼がフェースブックか何かにあげた写真。

 

同じ写真を撮る。

今度は別々の道に進むんだね。

 

二人でまだ過去の話をたくさんする。

そして、これからの話をする。

 

話していると1時間なんてあっという間にたつ。もういかなきゃだね、なんて言うと、彼が泣きながら僕に指輪を手渡した。

付き合ってすぐに僕があげたペアリング。

先月家を出る時に僕がもういらないから、って置いてきたリング。捨ててね。って置いてきたリング。

 

お互いの8年間の思い出だから酸いも甘いも全部知っている指輪だから、この先守ってくれるから、持ってて。二人のお守りにしよう。

 

いつかまた、チャンスがあったら、きっとまた会おう。今度はもっと大人になってるよう努力するから。

 

もし、その機会があったら、そうだね。

なおきよりいい人なんて絶対いないから、後悔するのはそっちだから。なんて笑いながら僕が返す。

 

うん、そうだね。ほんとそうだよね。

 

なんて言ってあっちがまた泣く。

 

これから二人は違う人生を歩むんだね。

前に進んで幸せになろうね。

 

後ろ振り向かないで、行って。

彼が促す。

 

 

泣きながら前を向いて背筋を伸ばして歩く。

最後にドラマみたいに手だけあげて前を見ながらバイバイってしたけど、見たかな。

 

 

ちゃんと二人の間に愛があったんだね。

ちゃんと僕らは家族だったんだね。

嫌なことも裏切られたこともあったけど、最後こうやって終わりにできるんだね。

 

よかった。

 

人生の大切なチャプター、綺麗に終わりにできたね。

 

これから何があるかはわからないけど、お互いが前を向いて歩いていけるね。

 

きっとコロナがなかったら、

こんな風に会いに行くこともなかった。

 

友人たちとももっと疎遠になったかもしれない。

彼とも綺麗に終わらせられなかったかもしれない。

 

8年間、

しょっぱい思い出は山ほどあったけど、怒りなんて案外落ち着くもので、最後は綺麗にこうやって終われるんだね。

 

出会えてよかった。

 

二人とも次に会うときは、どう言う形であれ幸せになっているといい。

 

日本の生活、21歳からの初めての独身生活。

日本で仕事もしたことないけれど、

仕事、見つかるかな。

どうにかなるのかな。

 

日本に帰る。

飛行機のチケットをとった。

3月24日の火曜日。昨日、突然決めた帰国。

昨日の昼間にまず初めに、3月29日の飛行機のチケットをとったのだけど

昨晩のNZ政府の出した勧告を聞いて、この国からは一刻も早く出なければいけないと思った。勧告とは、NZ国民は国から出るな。NZには外国人はいれません。というもの。

だから、チケットを撮り直そう。

車のことや仕事のこともあり、24日の早朝のチケットを取り直した。

取り直したというか、結局2日分購入したたことになる。

 

早く帰りたい。

 

5月。5月。と思ったけれど、

どんどんチケットがなくなる今、そこまで待てないと思った。

4月以降、NZからの飛行機は今以上になくなる。

エアニュージー航空は成田便なくなるし、シンガポール航空ももっと減るらしいし(そもそも、トランジットでオーストラリアとシンガポール経由だけど、外国人入れてくれるかも定かではないし)、カンタス航空もなくなるって。

 

毎日毎日、コロナウィルスの新しいニュースが飛び交う。

このニュースを聞いていると、頭がおかしくなりそう。

他の話が聞きたい。

というか今はウィルスよりも自分のメンタルヘルスのが重要。

 

ここからようやく出れる。

クライストチャーチは僕にとってはほろ苦い土地になる。

 

今日、デパートのベンチで自分の靴をじっと見つめてた。

これからの未来をこの靴がどこに連れて行ってくれるんだろう、なんて思った時、

昔のことを思い出す。

 

二人でフィリピンの空港を出てNZに向かうとき、

二人の靴の写真をフェースブックにあげた。

 

これからの明るい未来の話。

 

何だろう。

 

1ヶ月経って、前よりも落ち着かなくなってきた。

 

もう恋愛はしない方がいいんだろうなぁ。

と思ったけど、好きになったらもう遅いな。

その人が自分のメンタルヘルスにいい影響を与えないかもしれなくても、

好きになったら何にせよ遅いんだよな。

なんてね。

 

何も学べない。29歳。

 

 

考えても考えてもわからない

いつからこんなに恋愛脳になったんだ。

 

なんで、こんなに前も向けないのか。

なんで、毎日、こんなぐっちゃぐっちゃなの。

 

毎日、いろんなこと考えて、頭の中、ただただぐちゃぐちゃにして、なんにもうまくいかないって結論になるの。

 

今の恋愛だってそう。

好きな人と話してるのに、結局は相手のペースに乗っかって自分の思ってることも口に出せない。自分をありのままで愛して欲しいと思っても、そんなうまくもいかない。

 

誰かに会いたいけど、誰にも会いたくないし、お酒は飲みたいけど、お金だってない。

 

何してんだろう。

 

日本帰っても何ができるのかもわからない。

29歳、今更本当にどうするよ。

年齢じゃないかもしれないけど、結局は年齢でしょ。

リクルーターの人にも29歳崖っぷちですね、なんて言われるじゃない。結局。

 

知らんけど。

 

なおきは優しすぎるから、浮気されたんだよ。これからだって、そんなに優しいと浮気されるぞ、なんて言われる始末だ。

しらねぇよ

 

こうやって生きてきたんだよ。

こうやって全部生きてきたんだよ。

誰のせいにもしないさ。自分で後始末するさ。

 

苦しくて泣いてたって誰のせいにもしないさ。

 

優しさを利用されるよ、なんて人に言われたって、もうどうしていいかわからない。

 

でも、どうしたらいいんだよ。

 

ただただ、どうしていいかもうわからない。

 

暗闇かよ。

おい。

愛されたい、愛されたい、言ってるからダメなんだろう。

愛したい、愛したい。

どっちもしたい。

 

かけ事みたいな引いたり押したりな恋愛じゃなくて、

大切にしたいし、大切にされたいし、そんな恋愛がしたいし、

自分のことだって大切にしたい。

 

仕事もやることがない。

暇な時間が多い。

最初の頃と違って、大変なことも減ってきた。

大抵のことは自分でこなせてしまう。

これじゃダメだあああああああああああああああ!!!!!!あああああああああああ!!!!!